退職共済年金受給権者の、在職中の年金の支給停止について


Q.
当方、国立大学の教授で、現在、満60歳です。大学の定年は、65歳になっています。文部省の共済組合(のみ)に、昭和39年から加入しています。先日、65歳退職時の年金申請手続きをしました。事務の係りの話では、65歳から年金が支給されるとのことでした。
文部省共済組合の「共済のしおり」を読んでみますと、60歳からの「年金の特別支給」という説明があり、大学の係りに問い合わせましたが、在職中は、支給停止ということでした。じつは、私大に在職のある教授は、60歳から在職しながら、年金を受け取っているいうのを耳にしたことがあります。
60歳からの特別支給の条件など、また、私の場合それに該当しないのかどうか教えて下さい。
共済組合に加入していた人が年齢等の一定の条件を満たしたときには、退職共済年金の受給権を取得します。この退職共済年金は、受給者の年齢等により、「特別支給の退職共済年金」と「65歳からの退職共済年金」に分けられます。

 あなたの場合は、加入期間が約34年との事ですので60歳時点で「特別支給の退職共済年金」の受給権は発生しています。ただし、60歳以降も引き続き在職する場合、60歳以降に加入する「年金制度」によって全部または一部が支給停止になる場合があります。60歳以降も同一共済(国家と地方は同一とみなします)に引き続き加入される場合には、在職中の標準報酬の月額が一定の水準より高い場合には「同一共済在職中の年金の停止」があり、あなたの場合には全額が支給停止になったものと思われます。

 60歳以降に今までと違う年金制度に加入した場合には、この「同一共済在職中の年金の停止」という制度が適用されず、「給与所得制限による停止」の適用を受けます。これは、各年における給与収入に係る課税所得金額が120万円を超えるときに退職共済年金の一部が支給停止されるもので、翌年の8月から翌々年の7月までの期間適用されます。私大に在職されている教授の方はこの制度が適用されることになりますので、現在は支給停止がないものと思われます。なおこちらは、所得金額がいくら多くなっても停止率の上限が90%うなので全額が支給停止になることはありません。
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