日本人女性が外国籍の人と婚姻し海外に居住した場合の年金の制度


Q.
日本人女性が外国籍の人と婚姻し海外に居住した場合、年金の制度はどういった対応になるのでしょうか?
 1. 日本国民が海外に在住して日本国内に住所を有しなくなっても、国民年金の第2号被保険者と第3号被保険者は、その状態が続いていれば、そのまま被保険者期間は続きます。また、20歳以上65歳未満の第1号被保険者が海外に在住するようになったときは、任意加入を申して出て、被保険者になることができます。(国民年金法附則第5条)
 2. また、海外居住者で任意加入できる者が任意加入しなかった期間(20歳以上60歳未満である期間に限ります。)は、老齢基礎年金の年金額計算の基礎にはなりませんが、受給資格期間を計算する場合は当該期間も算入されることになります。(国民年金法附則第7条)
なお、これは、大正15年4月2日以後に生まれた人について適用されます。また、昭和61年3月31日以前において厚生年金保険・船員保険の老齢年金の受給権者でない者について適用されます。(新年金該当者)

以上のように、外国人と結婚をしても日本国籍がなくならない限り、第1号被保険者として任意加入ができます(月額12,800円の国民年金保険料が必要)ので、厚生年金加入期間と第1号被保険者期間を合わせて25年(300月)で老齢基礎年金の受給資格期間を満たします。また、任意加入しない場合でも、海外での居住期間が受給資格期間とみなされます(カラ期間)ので、同じく25年で老齢基礎年金の受給資格期間を満たします。この場合には厚生年金の被保険者期間にのみ対応する老齢基礎年金・老齢厚生年金が受給できます。
主任研究員 社会保険労務士 八代 益男
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