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「複線型賃金」を提起

金属労協も能力主義追認


 自動車、電機などの産業別労働組合からなる金属労協(IMF−JC)は2日、東京都内で開いた定期大会で今後の人事・賃金制度として「複線型賃金・処遇制度」を提起した。長期的な雇用安定を前提としながらも、専門職、専任職など本人の選択の幅を広げた上で、職種によっては能力給中心の賃金制度を考えるべきだとしている。春闘に影響力を持つ金属労協が事実上、能力主義を追認し、従来の人事・賃金制度の改革方針を明示したことで、日本型経営システムの改革論議が一段と広がりそうだ。

 金属労協は約2年前から新しい賃金・労働政策の指針づくりに着手していた。日経連など経営側が強調する雇用の流動化は「総額人権費の抑制が目的」としながらも、「雇用の移動が組合員に不利にならないシステムに転換していく必要がある」としている。

 その上で、「専任職」「管理職」「専門職」「スーパー専門職」というような複線型の処遇制度によって、「個々の業務遂行能力を的確に賃金・処遇に結びつける」ことを企業に求めている。多くの日本企業が導入している職能給制度については、生活給的な年齢給との「二本立て賃金の堅持」を訴えながらも、能力に基づく職能給部分の比率引き上げを認める考えだ。

 裁量労働制や年俸制についても、「労働時間の拡大と人件費抑制につながらないよう組合のチェックが不可欠」としながらも、「個人の成果を引き出す目的で検討の必要がある」と柔軟な姿勢を見せている。金属労協の傘下では電機連合が今年7月に、能力主義を追認する決議をしている。

平成9年9月3日 日経産業新聞