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銀行3行「ヤミ金融業者名 照会拒否」

違法取り立て訴訟遅れる

借り主、賠償提訴へ


 ヤミ金融業者による違法な取り立てに対抗するため、倍り主から委任された弁護士が、業者が指定した振込口座の開設者の氏名、住所などを照会したのに銀行側が拒否したのは「犯罪者の隠匿にあたり、脅迫的な取り立てが続いて精神的苦痛を受けた」などとして、借り主がみずほ銀行など3行を相手に、計約1500万円の損害賠償を求め、大阪地裁に近く提訴することが6日分かった。ヤミ金被害をめぐって、弁護士照会を拒否した銀行を訴えるのは全国で初めて。

 融資を受ける際、業者の携帯電話に申し込み、返済は振込口座で行われるケースが多い。業者の所在地を特定できず、弁護士が対策を取れない事態が常態化している。

 訴えるのは大阪府内の女性(57)と建設業者。訴状によると、女性の依頼を受けた弁護士が昨年4月、ヤミ金業者に受任通知書を送って取り立てをやめさせようとしたが、口座しか分からなかったため、みずほ銀行に照会。しかし「相手方の承諾を得られない」と拒否された。交渉の末、半年後に回答を得たが、その間、業者の関係者を名乗る男らが女性宅を訪れ「家の中で暴れるぞ」などと脅迫的な取り立てを行ったという。近畿大阪銀行も昨年4月、同様の照会に対し回答しなかったとしている。

 三井住友銀行は昨年4月、建設業者が依頼した弁護士からの照会を拒否。住所を特定しないまま建設業者は債務不存在確認訴訟を起こしたが、大阪地裁の問い合わせにも応じなかったためヤミ金業者に訴状を送達できず、裁判が半年遅れた。

 弁護団は、大阪弁護士会の34人を中心に全国の弁護士108人で結成。前川清成弁護団長は「ヤミ金は、銀行を利用した決済システムで成り立っており、銀行口座が違法営業の隠れみのになっている。銀行の社会的責任を問いたい」と話している。   【田村晃一】

みずほホールディングス広報部の話
 ケース・パイ・ケースで対応している。個別の事案についてはコメントを差し控えたい。

三井住友銀行広報部の話
 個別の取引にかかわる内容なので回答は控えたいが、口座名義人の情報は守秘義務の観点から本人の同意を得たうえで開示している。

近散大阪銀行総合企画部の話
 守秘義務の問題ちあり、回答に必要な手続きなどを弁護士会に依頼したが、返答がないため回答できていない。

弁護士照会
ことば
 弁護士が、担当した事件について調査するため、必要事項について団体などに報告を求める制度。弁護士法に規定されており、弁護士の申し出を受けた弁護士会が照会する。強制力はないが、判例では「正当な理由がない限り、回答の義務がある」としている。

2003年2月6日 毎日新聞(夕刊)