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住宅公庫ローン 失業中などの返済軽減

建設省 元本猶予し金利減免


 建設省は失業などで住宅金融公庫から借り入れたローンが返済できなくなった個人を対象に、金利負担の一部減免を含む救済策を打ち出す方針を決めた。ローンの償還期間を延長するとともに失業している間は最長3年に限り元本返済の猶予、利払いの一部肩代わりを実施する。景気後退の長期化による雇用所得環境の悪化で、公庫住宅融資保証協会による代位弁済に追い込まれる個人が増えており、救済策が必要と判断した。建設省は財源措置を10月末に締め切られる景気対策臨時緊急特別枠で予算要求する。

最長3年、償還10年延長

 救済の対象となるのは、企業の倒産やリストラで失業したり、年収が30%以上減少したりして、返済が困難になった借入者。建設省は住宅公庫や銀行など融資の窓口なっている金融機関に専門の窓口を設置する計画で、借入者が窓口で期間延長などを申請する。

 償還期間についてはローンの借入者が住宅公庫と延長を協議する。延長期間は借入期間にかかわらず最長10年とする。これによって最終的な返済額は期間の延長に伴う利子負担の増大で当初計画より膨らむが、毎月の返済額は減る。

 ただ、それでも失業で返済が困難な借入者が多いと見られるため、収入がある程度回復するまで最長3年をめどに元本の返済を猶予するとともに、事実上、国庫負担で利払いの一部を補てんする。具体的には3年間に限り、高金利時代の融資分は金利を年5%まで引き下げ、5%以下の融資についても一定割合で圧縮する方向で最終調整を進めている。

 金利減免の財源については、政府の住宅公庫への出資金を積み増し、その運用益でまかなう。出資金の規模は現在1122億円だが、これに数百億円上積みする方向で検討している。

 バブル崩壊や景気悪化の影響が家計を直撃している。公庫融資の債務保証を引き受けている公庫住宅融資保証ローンの支払いが滞った人に代わって返済する代位弁済数は97年度に9715件に達した。14日開いた経済戦略会議も当面の緊急避難措置として、住宅ローン借入者の返済を一時的に延長するよう求めていた。



問われる自己責任原則

 建設省が住宅ローンの返済負担を一部にせよ国費で軽減する方針を打ち出したことで、改めて自己責任原則が問われそうだ。住宅購入者に大半は長期のローンを組むが、そこでは自らの将来の収入に関してリスクを覚悟することが求められるのが本来の姿だからだ。

 建設省も、これまでは災害被災者などやむを得ない場合を除いてはこうした措置を取っておらず、未曾有の景気悪化に直面した決断だったといえる。

 ただ、こうした政策転換によって恩恵を被る層ができれば、苦しくても何とか返済を続けている層の返済意欲が減退するモラルハサード(倫理の欠如)を招く恐れがある。また、「ローン返済を一部の人に限って税金で負担するのは不公平」との指摘や、失業しても保有資産で借金を返済できる人までを救済対象にする可能性があることへの批判が出そうだ。

平成10年10月15日 日本経済新聞