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厚生年金 賃金スライド撤廃 主婦からも徴収

保険料率 2025年も20%以下


厚生年金の保険料率の比較のグラフ  経済企画庁・経済研究所は30日、高齢化が年金財政に及ぼす影響の分析をまとめた。厚生年金の支給額を賃上げ率に連動させる賃金スライド制を撤廃し、主婦からも保険料を徴収するなどの改革を組み合わせれば、高齢化のピークとされる2025年も保険料率は20%以下に保つことができると推計した。厚生省は新人口推計をもとに、同年の保険料率は34%台に高まると試算している。分析は、年金制度が長期的に維持可能な保険料の水準に抑えられるとしており、年金審議会(厚相の諮問機関)の議論にも影響しそうだ。

分析は経済研究所の八代尚宏客員主任研究官(上智大学教授)を中心とする研究チームがまとめた。厚生年金の改革策として四つの選択肢を提示している。第一は、支給額を家計の可処分所得の増加率に連動させる賃金スライド制をやめる案。この制度は高成長・高インフレ経済では、受給者の実質的な手取り額を維持するのに有効とされるが、低成長下では、「現役世代の勤労の成果を引退世代の年金に反映させる根拠は乏しい」と指摘している。

 第二は、60〜64歳に一部を受け取る部分年金を廃止し、支給開始年齢を完全に65歳に引き上げる案。第三は、支給額算定の根拠となる乗率(生涯賃金にかける率)を現行の75%から66%に引き下げる案を示した。

 こうした支給抑制策に加え、現在は保険料を払っていない無職の主婦(年収130万円以下のパート主婦を含む)からも保険料を徴収する策を提案。四つの改革策を99年の年金財政の再計算にあわせて実施すれば、保険料率は19.1%(現行は17.35%を労使で折半)のまま引き上げずに済むと推計している。これに伴い、平均支給額は2025年時点で月額約14万3000円にとどまるという。

平成9年7月1日 日本経済新聞