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65〜69歳の在職者年金

低所得層は満額支給 厚生省方針


 厚生省は22日、来年予定している公的年金制度改革で65歳から69歳までの働く高齢者のうち高水準の給料を得ている人を除いて、厚生年金のカットは行わず、満額を支給する方針を固めた。ただし、新たに保険料の支払いを求める。厚相の諮問機関である年金審議会は9日にまとめた意見書の中で、60歳から64歳で働いている人たちが受け取る年金額に制限を設ける「在職老齢年金制度」について、69歳まで延ばす考え方を打ち出した。厚生省はこれを具体化する一方で、「生活を支えるために働いている人たちには配慮が必要」と判断した。

 民間サラリーマンが加入する厚生年金について厚生省は、60〜64歳に支払われる報酬比例部分の支給開始年齢を2013年から次第に引き上げ、2025年には完全65歳支給開始とする、などの対策を打ち出すことも検討している。在職老齢年金の対象年齢の拡大もこの流れに沿っているが、年金カットはこれから65歳を迎える層の家計に直接影響を及ぼすだけに、厚生省も「激変緩和」として見送ることにした。

 在職老齢年金制度では、60歳から64歳で会社勤めをしている人は、厚生年金の保険料を支払うことが求められるうえ、年金受取りを希望すると、どんなに給料が少なくても年金額は2割カットされる。しかし、65歳を過ぎれば、勤務を続けていても保険料を払う必要はなくなり、年金は満額受け取れる。

 年金審議会は「60歳代後半の在職者に年金が満額支給されることは、現役世代の理解を得にくい」として、保険料負担と年金支給の制限を求めた。同時に「賃金と年金を合わせた額が低い高齢者には、年金額が減額されない方法の検討も必要」として、低所得層への配慮も求めていた。

 具体策を検討していた厚生省は「65歳を超えて働いている人は、会社役員のような高額所得者と、低賃金でもやむなく働いている人たちに二分化される傾向にある」として、低所得者に対する年金カットを見送ることにした。

 ただ、年金と給料を合わせて月額22万円を超えた場合は、年金の支給額をさらに減額する現行制度にならい、65〜69歳でも給料と年金の合計が一定額を超えた場合は支給額をカットする方針だ。

平成10年10月23日 朝日新聞